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【手のひらの海、ひとつまみ】屋我地島の塩と、やさしい食卓|ごちそう便り vol.12

【手のひらの海、ひとつまみ】屋我地島の塩と、やさしい食卓|ごちそう便り vol.12

朝の食卓に、おむすびをひとつ。
塩むすびの、あの潔いおいしさが恋しくなるときがあります。
手のひらで包んだ白ごはんに、ほんのすこし塩をまぶすだけ。
それだけなのに、じんわりとうれしくなる。
きっとそこには、"いい塩"の存在があります。

私たちが店で大切に使っている「屋我地島(やがじしま)の塩」も、
そんな一品をそっと引き立ててくれる、かけがえのない存在です。


この塩は、沖縄本島の北部――屋我地島という珊瑚に囲まれた小さな島でつくられています。
一見なんの変哲もない白い粒。けれど、その裏側には、海の力と人の手間が何重にも重なっている。
海水を引き込み、天日干しをし、鉄釜で丸二日間、弱火でじっくりと煮詰める――
塩が塩になるまでの長い時間、火加減を見守り、結晶を見極めるのは熟練の職人の技。

だからでしょうか、この塩には尖りがない。
どこまでもやわらかで、まるで食材の声を聴いて寄り添うよう。
豆腐の上にちょっとのせれば、大豆の甘みがくっきりと浮かび上がる。
とうもろこしごはんに使えば、甘みと香ばしさがふくらんで、止まらなくなる。


実はこの「屋我地島の塩」、名古屋にあるゆうなんぎいの2店舗でも使われています。
当店でも人気の金アグーしゃぶしゃぶ。その薬味として、この塩を選びました。
「ただ塩で食べる豚肉」という潔さが、素材の良さを何より伝えてくれるのです。

しゃぶしゃぶをひと口。
すぐに塩をほんのひとつまみ。
口の中で肉の旨みと塩のまろやかさがふわりと重なる、その瞬間。
あぁ、これが“ごちそう”なんだ――そう思わずにいられません。


この塩は私たちにとって、とても大切な存在です。

いつかご家庭でも出会っていただけたら、と願っています。
たとえば、今日の料理に少しだけ気を配りたくなったとき。
食材を大切に扱いたいとき。
そんなときに、そっと寄り添う塩であってくれたら嬉しい。

これからも、そんな小さなごちそうの物語をお届けしていきます。

※今回ご紹介した「屋我地島の塩」について、もっと詳しく知りたい方へ
製造元である株式会社沖縄ベルクの公式ページも、ぜひご覧ください。
屋我地島の塩|株式会社沖縄ベルク

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