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【幻の和豚に、出会う】金アグーという贈りもの|ごちそう便りvol.9

【幻の和豚に、出会う】金アグーという贈りもの|ごちそう便りvol.9

ときどき、自分の食卓に並ぶ一皿を見て思うのです。

「このお肉は、どんなふうに育ったんだろう」と。


その問いに、正面から丁寧に答えてくれる豚がいます。

それが、“金アグー”という、沖縄で静かに育てられている幻の豚。

 

600年も前から受け継がれてきた血を持ちながら、

今では、数えるほどの生産者が

手間も時間も惜しまず、大切に育てています。


成長が遅い。育てにくい。

でも、それでもいい。

その“ゆっくり”のなかにしか、育まれない味があるから。

 

脂がとろける温度が、体温よりも少し低い。

舌の上でふわっと消えるような脂身に、

余計な雑味はひとつもありません。


それは、菌の数が通常の1/10、

コレステロールも1/4という“奇跡”のような育て方によって

ようやく手に入れられる、やわらかな味わい。


けれどその数字すら、

実際にひとくち食べたときの驚きには、きっと敵いません。

 

食べて、「ああ、美味しい」と思う。

でも、それだけじゃなくて、

なぜか静かに、誰かに贈りたくなる気持ちになる。

自分へのご褒美にも。

大切な人への贈り物にも。

このお肉なら、きっとどちらも似合います。

 

それは、金アグーという“豚”を贈るんじゃない。

大切に育てられた時間や、

やさしく込められた想いごと、そっと届けるような気持ちです。

 

ごちそう便り。今日は、気持ちを贈る一皿。

次回は、この気持ちが紡がれたある名店について、

もう少しお話を続けてみようと思います。

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